インタビュー&レポート

寄稿

歴史ある温泉郷でジャズをたのしむ

もともと善光寺参りの精進落としの湯として賑わい、100年の歴史をもつ戸倉上山田温泉。 当サイト「わいがや倶楽部」の地元でもあります。 そんな信州有数の温泉郷として注目を集めるここで、明治大学BSSOの皆さんによるジャズコンサートが行われました。 “温泉とジャズ” このどこか不思議な出会いが、たくさんの感動を残してくれました。 その様子をコンサートの主催者であるを「JAZZを愛する千曲市民の会」事務局久保田茂保さんより寄稿いただきました。 BSSOメンバーからの届いたメッセージとともに、ご紹介させていただきます。


大きな感動を生んだ NEW YEAR JAZZ CONSERT

「JAZZを愛する千曲市民の会」 事務局 久保田茂保

2024年1月28日(日)、上山田文化会館で明治大学BSSO ( Big Sounds Society Orchestra )による「NEW YEAR JAZZ CONSERT」を開催しました。
800人を超す観客が、ビッグバンドのジャズコンサートを堪能しました。演奏中には多くの声援が飛び交い、 演奏後も、「良かった」「感動した」「ありがとう」「楽しかった」「また聴きたい」「来年もよろしく」など、多くの人たちがコンサートの余韻に浸っているようにみえました。
ともあれ、初めてのコンサートは演奏者にも観客にも満足してもらい関係された方々に感謝しています。

「JAZZを愛する千曲市民の会」の発足

2023年の秋、千曲市在住で、かつて明治大学BSSOで活躍していたNさんが中心となり、ジャズコンサートの開催が企画されました。 その実施に向け主催する「JAZZを愛する千曲市民の会」が11月20日、市内のJAZZ好きや明治大学OBらを中心に急遽立ち上げられ私も事務局として活動することになりました。
開催日が2024年1月28日と先に決まってしまったものの、告知させるツールなど何もない状態からのスタートです。すぐにチラシ、ポスター、チケットの制作にかかり、同時にNさんには後援や協賛の手続きに当たってもらいました。

コンサートのチラシ

伸び悩むチケット販売

チラシ・ポスター・チケットが出来上がったのは12月16日。12月19日、明治大学OBを中心に5人の実行委員が招集され、それぞれが「NEW YEAR JAZZ CONSERT」に向け、 観客の誘致活動にとりかかりました。同時に多くの人に告知してもらうため、信州ケーブルテレビジョンのインタビューを受け、コンサート開催内容や明治大学BSSOについて放映してもらいました。
実行委員会は12月27日、2024年1月11日にも開かれました。各実行委員からは、なかなかチケットの売れ行きが伸びない等の報告があり、 ちくま未来新聞や信州千曲観光局のホームページを通じて告知活動を進めました。その後、信濃毎日新聞、長野市民新聞にもコンサート開催の記事を掲載してもらいました。

問い合わせが殺到

チラシや新聞記事などに、問い合わせ先は私の携帯番号にしてありました。 1月中旬まで電話はちらほらでしたが、開催日の1週間前からは多くの電話がかかってくるようになりました。 なんとそのほとんどは「チケットがまだ手に入るか?」というものでした。当日券があることを伝え、確実に人数が分かる人には予約を勧めました。
1月24日、最後の実行委員会では、各委員からチケットの売り上げにある程度の感触を得たとの報告があり、当日来る人も多く見込めることから、500人ぐらいの観客が集まるだろうという手ごたえを感じました。

明治大学BSSOが到着

1月27日16時30分、明治大学BSSOのメンバーが大型貸し切りバスで戸倉上山田温泉に着きました。 早速上山田文化会館に楽器を降ろし、パートの位置や照明の確認、音合わせなどを行いました。メンバーは24人。18人が交代しながら、ステージでは16人で演奏します。
19時まで音合わせとリハーサルを兼ね7曲ほど演奏しました。 当初1時間程度の予定が、2時間もかかったのは、それだけコンサートに真剣に向き合ってくれたからでしょう。 結局宿泊先の有田屋旅館での夕食は20時近くになりましたが、みんなその後の温泉を満喫したそうです。

音合わせでのリハーサル風景

小・中学生のクリニック

コンサートに先立ち、当日の10時から、市内中学生の吹奏楽部が明治大学BSSOのメンバーから直接楽器の演奏を教えてもらうクリニックを行いました。 戸倉上山田中学校・屋代中学校の生徒総勢32人が演奏を聴き、パートを分けて各生徒のクリニックをした後、吹奏楽部の生徒と明治大学BSSOのメンバーが一緒に演奏するという趣向もありました。 別室では同時に小学生の希望者のクリニックも行いました。
クリニックを受けた生徒からは、「クリニックで教えてもらった練習のしかたなど、普段の練習に生かしていきたい」 「クリニックで吹奏楽につながることを多く教えてもらった。息の使い方、姿勢など勉強になった」といった意見があり、どの生徒も明治大学BSSOの演奏に刺激を受けたようです。

大盛況の会場

13時の開場前から入場者が並びました。開場になると次から次に人が入り、当日券だけでも130枚以上が売れるという盛況でした。 「500人ぐらいは入るだろう」という当初の予想よりもはるかに多い人たちが来てくれ、2階席までほぼ埋まってしまいました。 高校生以下は無料なので、保護者同伴の生徒さんもみられましたが、同時に高齢の入場者も大勢いました。
最終的に800人以上の人がコンサートを聴きに来てくれて、うれしい誤算となりました。

会場になった上山田文化会館景

盛り上がったコンサート

「拍手をしても、声をあげてもいいんです。純粋にジャズを楽しんでください」との主催者の開会挨拶で、堅い会場の雰囲気がかわりました。 演奏中に歓声が飛び交い、手拍子でリズムにのる人たち。曲が終われば大きな拍手。 観客と演奏者が一体となっているような光景が目に映り、誰もが純粋にビッグバンドジャズを楽しみ、感動している様子が伝わってきました。
演奏後の明治大学BSSOのメンバーも、「こんなに大勢の客の前で演奏したのは初めての経験です」と盛り上がった公演に感激してくれました。
いろいろな人の協力があり、多くの人に支えられて実現した「NEW YEAR JAZZ CONSERT」。 この短い期間でやり遂げた達成感もあり、私にとっても胸が熱くなった出来事でした。

JAZZが根付く町に

私の若いころには今のアニメソングと同じように身近にJAZZの音楽が流れていました。70代以上の入場者には昔を懐かしむJAZZ愛好者も多かったようです。
若い世代の人たちにももっと広くJAZZの魅力に触れる機会があればと思います。
来場した多くの人が、来年も明治大学BSSOを再び呼んで、JAZZコンサートを開催してほしいと希望しています。 明治大学BSSOのマネージャーからは来年もやるようであればぜひ参加したいという返事ももらっています。 メンバーには有田屋旅館で初めて温泉に入った人もいるようですが、誰もが温泉を気に入ってくれました。「家族を連れてまたぜひ来たい」という女性団員の声もありました。 こうしたメンバーたちは戸倉上山田温泉にいい印象を持ってくれました。 温泉で泊ってJAZZを演奏したことは、彼らが覚えている限り、きっとどこかで発信してくれるはずです。 今後戸倉上山田温泉にJAZZが根付き、来年も再来年も、コンサートが開催できればと思っています。

有田屋旅館と上山田温泉の街並み

最後に
 BSSOのメンバーより、東京に戻ってから次のような感想が寄せられました。

私たちも楽しめました。また開催できると嬉しいです。
中学生の皆さんとのクリニックでは、私たちが初心者の頃の気持ちを思い出すこともでき、大変有意義な時間になりました。来年成長したところを見れると嬉しいです。

皆さんとてもあたたかくて、恵まれた環境で演奏させていただくことができて幸せでした。
ご飯も美味しくて差し入れも沢山いただいて、ありがたかったです。
ぜひまた演奏させていただきたいです。

東京ではできない体験がたくさんできました。
町を歩いているとどこかから漂ってくる温泉の香りに心がほころびました。
天然温泉最高!

良い酒、良い人、良い温泉。

こんなにたくさんの人の前で演奏することは4年間の活動を通してもなかなかないので、私たちも特別な気持ちで楽しむことができました。
また来年も千曲市の皆さんにお会いできると嬉しいです。

この度は素晴らしいステージでの演奏機会をいただきありがとうございました。
温泉をはじめ、美味しいご飯や温かい人柄のみなさんと関われて本当に長野に来れて良かったと思っています。
クリニックを通して初心を思い出し、自分たちの演奏に生かせることを中学生のみなさんからも学ばせていただきました。
もし来年も機会がありましたら、ぜひ演奏させていただきたいです。
ありがとうございました。