たくさんの生徒さんから感じた“若い宝石のような輝き”
屋代南高等学校 作品発表会“Bijoux”

2021年12月11日(土)お天気に恵まれた、あたたかな午後。
長野県屋代南高等学校のライフデザイン科作品発表会・普通科学習発表会が千曲市上山田文化会館で開催され、おじゃまさせていただきました。
歴史のある校舎の壁には、SDGsの取り組みについて、生徒さんたち直筆の短冊がおしゃれに飾られていました。
それらを一つ一つ拝見して、私たちもできることから取り組んでいかなければ、と強く感じさせられたり、
すれ違うみなさんが元気に挨拶をしてくださり、寒くても、その生き生きとした姿から元気をもらったような気がします。
まずロビーでは、フードデザインコースの生徒さんによる、野菜やフルーツに切りこみを入れて模様をほどこしていく
“飾り切り”と“カービング”の実演があり、つい見入ってしまうほど繊細な技術には驚かされるほど。

実演の様子

飾り切り作品

カービング作品
ライフデザイン科の生徒さんが各コンテストで受賞された作品も数多く展示されており、たくさんの若い才能を間近に感じ取ることができます。

発表会のテーマは、“ Bijoux”。 フランス語で“宝石”という意味だそうです。
「生徒さん1人1人が、学校にとっての宝石。
色や大きさ、形はちがうけれど宝石です。ぜひ、その輝きを大切にしてほしい。
ライフデザイン科も普通科も3年間の集大成の発表会なので、きょう来場された皆さんには、
宝石のようにキラキラ輝くかがやきを見てほしい」との、中村真由美校長先生のご挨拶からはじまりました。
1.普通科学習発表会
2年生は「学校のブランド化」をテーマに、校内の清掃と挨拶の徹底、SDGsへの取り組み、
キャラクター戦略を含めた広報活動の提案などをまとめて発表しました。
3年生は3グループに分かれており、
①未来の自己と生き方
②5Gで変わる未来
③デザインの曖昧さの必要性
どれもむずかしいテーマでしたが、異常気象や環境問題をはじめとした少子高齢化など、これからたくさんの問題にぶつかっていく
世代としてさらに教養を深めたり、世界や日本で起きている事柄について他人事ではなくて自分たちの事としてとらえたり、
あふれている情報についてもただ鵜呑みにせず選択をする大切さなど、それぞれの考え方や意識づけ、
今からできる行動や提案もあわせて見事に発表されていました。
2.ライフデザイン科(ファッションコース、フードコース)作品発表会
●ファッションコースの発表
生徒さん自身がつくった衣装を身にまとい、音楽にあわせてステージ上を歩くオープニングは、みなさん堂々とされていて、モデルさながら。
衣装は白というシンプルな色でありながら、作品は身近に感じるものもあれば独創的なものもあり、見ていてとてもワクワクさせられました。

オープニング
テーマ“Lady Zilla”は、戦う強い女性をイメージした衣装です。 カッコいい音楽と表現方法がどれもマッチしていて、生徒さんたちから私たちに向けて、 「みんな頑張って!」のメッセージを受け取ったような気がしました。

Lady Zilla
葛飾北斎のテーマにそって、和の要素を取り入れた素敵な衣装をつくられたグループもありました。

北斎
●フードデザインコースの発表
「全国日本高校生和食グランプリ」について発表がありました。
数多くの参加高校の中から最終選考まで残った実力派です。
限られた時間のなかで、決められたメニューを審査員の分までつくるので、何度も練習を重ねたそうです。

フード和食グランプリ
富士見高校とのコラボレーション企画で、同校の生徒さんたちが愛情をもって栽培した
「トマト(フルティカトマト)」、「ルバーブ」を、フードデザインコースの生徒さんたちが、
素材そのものが活かせるよう、味付けから一緒につかう食材も考えながらメニューを作成して調理したそうです。
その交流の様子についての発表もありました。
ここでは富士見高校のゆるキャラ、かわいい“ルバンビー”も応援にかけつけてくれて会場をわかせてくれました。

ルバンビー
シュガーアートの発表では、細かい手作業でつくられたケーキについて1人1人紹介されていました。
ロビーに手作りのシュガークラフトのベビーシューズが展示されていました。

シュガークラフトのベビーシューズ

シュガークラフトのケーキ
ファッションコース、フードデザインコースと交互に発表が続き、エンディングまで時間の流れがあっという間でした。
いまの3年生たちは、コロナウィルスの影響を受けて、2年次に行う予定だった東京研修の中止からはじまり、
修学旅行も含めた各行事がすべて中止になった方たちです。
オンライン授業となり、登校ができずに通常の授業ではなかった時期も過ごされたりと、
「がまんをすることが多かった」とライフデザイン科の柿崎史恵先生がおっしゃっていました。
ですが発表会では、そんな例年とは違う限られた時間での授業内容や準備だったにもかかわらず、生徒さんたちはステキな衣装や作品を制作され、
生き生きとステージ上を歩き、丁寧に作品を説明され、まさに1人1人が宝石のような、まばゆい輝きを見せてくれました。
生徒さん自身の頑張りはもちろんですが、ご家族や先生など、関係された方がたのご尽力に敬意を表するとともに、
こうしたすばらしい空間を共有することができ、来場されたみなさん全員が幸せであたたかな気持ちになったことでしょう。
卒業まで残りの学校生活、そして卒業後の未来、みなさんがさらにかがやかれることを願っています。
取材・写真/中村直子