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わいがや倶楽部

庄村デスクの
なんでもかんでもインタビュー

お地蔵さまと七味唐辛子

Vol.2 巣鴨とげぬき地蔵尊/名物 七味唐辛子

Matsumiya Shoten

松宮商店


「おばあちゃんの原宿」の異名を持つ、巣鴨地蔵通り商店街。
取材をしたこの日は30度を超す暑さ。さすがの炎天下に、ご婦人方の歩く姿もまばらな昼下がりでした。

商店街を歩くこと数分。「とげぬき地蔵尊」の名で親しまれるこのお寺、正式には曹洞宗萬頂山高岩寺と言います。
慶長元年(1596年)に江戸の湯島に開かれ、約60年後には下谷屏風坂に移り、そののち明治24年(1891年)に巣鴨に移ってきました。
ご本尊は、延命地蔵菩薩の「とげぬき地蔵」。全国でも有名ですね。
残念ながら、いまはご本尊を拝見できませんが、今もなお、参拝に来られる人が後をたちません。

ふと、境内の入口に目を向けると、風に揺れる唐辛子の暖簾が飛び込んできました。

一人もくもくとお仕事をしていらっしゃるご主人。
七味といい、ご主人といい、なんとも気になるお店です。
思い切ってお話をうかがってみることにしました。突撃インタビューです。

ー ご主人、こんにちは。今日も暑いですね!

「そうですねぇ。こんな日は商売あがったりだね。
暑すぎるよ。ホントに、このところはどうにかしてますよ。」

ー 七味唐辛子ですが、商売は長いんですか?

「大正2年からやってますよ。毎日ね。うちのはオリジナルの七味でね。
この真ん中の古い木箱にあるのが七味ですよ。毎日やってるから、ほら、仕切りが削れてるでしょ。
胡麻、唐辛子の方から順に匙ですくっていくから、仕切りが削れていくんですよ。」

ー ああ、なるほど、本当に削れていますね!匙ですくう順番があるんですね。
ところで大正2年からとは、ずいぶん長らくしてらっしゃるんですね。

「私の前は、姉やお袋もやってましたからね。
どうです?ひとつ作りましょうか?」

ー それじゃあ、せっかくなので、中辛を一ついただきましょうか。
あと、入れ物のブリキ缶も気に入ったので、こちらも一緒にください。

注文してすぐ、ご主人がサッサッサと手際よく材料を容器に入れ、素早い手つきでそれらを混ぜ合わせていきます。
調合の最中、風に乗って柑橘系や山椒のいい香りがしてきます。

ところで疑問。七味唐辛子って、いったい何が七つもブレンドされているのでしょう?尋ねてみました。

松宮商店さん オリジナル七味の種類と効能

一、黒胡麻・・・・緩下剤、点鼻薬、滋養強壮剤
二、唐辛子・・・・健胃、食欲増進、血管を広げる作用、脂肪を燃焼する作用
三、陳皮・・・・・健胃、鎮嘔、鎮咳、解毒、消化吸収
四、山椒・・・・・健胃、食欲増進
五、麻の実・・・・緩下薬(便秘を解消)
六、海苔・・・・・血管強化作用
七、けしの実・・・鎮咳、鎮静、止瀉薬

七味といえば、東京浅草の「やげん堀」、京都清水の「七味家本舗」、それから信州善光寺の「八幡屋礒五郎」などが有名ですが、みなそれぞれに調合が異なります。
松宮商店さんもオリジナルの調合。それが独自の風味を引き出すんですね。

容器も様々な種類があります。今回はいちばんシンプルなブリキの缶を注文しました。


注文してから、ご主人の素早い手さばきに感心していると、瞬く間に ~松宮商店オリジナル七味唐辛子〈中辛〉~ ができあがりました。

「はい、どうぞ。
ちょっと大辛の“香り”も比べてみますかい?こっちも美味しいですよ。」

ー もうそれでしたら、大辛もひとつ包んでください!

ご主人、優しい口調に似合わず、とても商売上手。
たいした荷物にもならないと踏んで、辛さ違いの七味を二つも買ってしまいました。。。

突然の取材にもかかわらず、こころよくご対応くださったご主人。
人気があるのでしょう、インタビュー中にも、地元の方が何人も自転車で買い付けに来ていました。

いただいた七味を何にふりかけて味わおうか、さあ今晩からの楽しみがふえました。

インタビュアー・写真/庄村デスク