わい
わいがや倶楽部

すこしお話、聴かせてもらっていいですか。
副編集長のきらきらインタビュー

旅立ちのとき、つらいとき、この歌が一歩前に踏み出すあなたの勇気になれたら。

Vol.3 GUNJI Takanari

郡司 哲也 さん

SINGER


子どもから大人まで、幅広い世代に愛される郡司さんの歌声。
まず聴いていただきたいのは、彼のファーストソロシングル「花鳥風月」です。そのCD発売を記念して行われた吉祥寺の老舗ライブハウス、曼荼羅での「花鳥風月Special LIVE」は大成功のうちに終了し、CDリリース以降、大きな反響がありました。それ以降も、茨城、東京、神奈川など、各地で続々ライブ開催が決定し、ついに当社のある千曲市(長野県)での開催が決定しました。
会場の「和かふぇよろづや」さんは、長野県千曲市屋代の地域活性化の一環として、昨年、屋代駅前通りにオープンしたお店で、今回のライヴは当社が協賛させていただくこととなりました。もちろん当日のライブの様子もたっぷりレポートいたしますが、その前に郡司さんのことを紹介させていただきます。
彼のユニークな音楽へのアプローチがみえた、貴重なインタビューになりました。

―歌声を聴かせていただきました。恋するような澄んだ歌声に、とても力強さを感じました。

ありがとうございます。私の家族は音楽が好きで、とくに2人の姉が合唱団に入っていました。ですので、幼い頃からその影 響を受けてよく歌っていました。中学3年生の時、同級生と“ao”というデュオを結成しました。ただ運動も好きなので、バスケ部に所属しながら、練習後に公園や駅で路上ライブをしていました。オリジナル曲も作ったりと忙しかったけど、すごく楽しかったです。本格的に音楽活動を始めたのは大学卒業後です。

―大学は農学部なのですね。驚きました。

そうですよね。音楽以外に農業や環境保全などにも興味があって、学びたかったんです。
いまも、NPO法人アサザ基金に所属して、湖と森と人を結ぶ霞ヶ浦再生事業に携わっています。
昨日も小学校に行きました。子どもたちに地域の良いところや悪いところを、自然観察を通して感じてもらい、環境について一緒に考えるためです。実は、牛久市に来たのもこれがきっかけなんですよ。そのNPO活動にボランティアで参加して、初めは地元の横浜から通っていました。

谷津田再生プロジェクトで荒れた田んぼの踏耕や周りの探検、自然観察。その昼食時の様子。

―それで牛久市におられるのですね。

はいそうなんです。牛久市に来て、2年半になります。

―牛久市に来られてどうですか。

とてもいいところです。それに、ここでもう一度音楽をやるきっかけをもらったんです。

―それはどういうことですか。

2014年に10年活動してきたaoを解散し、はじめて一人になって、そこで一人では何もできない自分に気付かされました。
悩むことも多くなって、音楽からすこし離れようと思いました。そのとき自分探しのいいきっかけになるかと思い、一年間フィリピンに行ったこともあります。
アサザ基金がきっかけで来た牛久市ですが、ここは新しい人を受け入れてくれたり、頑張る人を応援してくれる町でもあって、自分も背中を押してもらいました。なかでも、茨城県南の情報を届けるインターネットテレビ「ちゃんみよTV」に出演させてもらったことは大きかったです。プロデューサーの綾部みよさんは牛久が大好きで、地域の魅力を発信しながら、それをみんなで共有できる場をつくっています。地元愛が強い彼女の活動には感動します。

子どもたちと歌でつながる

―郡司さんも地域活動を大切にされていますよね。

大学で学んだこともそうですし、もともと地域づくりには興味がありました。いまは歌を通して地域のイベントにも参加させてもらっています。夏祭りや、茨城のプロバスケットボールチームのハーフタイムショーで歌わせてもらったりもしています。
町おこしとミュージシャンとして活動を繋げていければと思っています。自分の歌でそういう活動ができることが理想で、牛久市だけでなくふるさとを増やしていきたいです。

―そういった意味では、6月2日の千曲市屋代でのライブはとても楽しみですね。

私の他に、二胡の神貴尋さんと、ギターの堀井辰衛さんも参加します。千曲市のみなさんと楽しい時間を共有できることを楽しみにしていますし、少しでも千曲市の地域活性化にご協力できたら嬉しいです。
自分の歌を通してたくさんの人と出会い、そして繋いでいくということをしていきたいです。

―ソロになって初めてのシングル「花鳥風月」も披露いただけますね。
この曲について教えてください。

これはソロとして、覚悟を見せた曲です。なによりファンの方やたくさんのご縁に支えられてリリースすることができました。
新しい世界を自分の手で、何度でも何度でも切り拓いていく。そんな勇気や力強さがこの歌にはあります。聴いてくれる人の心にそっと寄り添えるように、気持ちを込めて歌いました。この歌が、新しい一歩を踏み出す誰かの勇気になってほしいんです。

Art work: 中山ダイスケ, “launched letters / 打ち上げられた手紙”,2004
収録曲:花鳥風月(作詞・作曲:大場聖也) / 手をつないで(作詞・作曲:郡司哲也) / 花鳥風月(instrumental)
販売サイト:www.artcocoon-music.com/

―では最後に、今後の目標を教えてください。

今年の9月に30才になりますが、まさかこの年齢まで、音楽活動を続けられているとは思っていませんでした。
いまは、歌えることにとても喜びを感じています。ライブに来てくださった方が、感動して泣いたり、元気になると笑顔を見せてくださることがとても嬉しいんです。歌は人の背中を押したり、生活に色を足したりできる。誰かの役に立てる。その瞬間に出会いたいから歌っていますし、自分の歌を通してたくさんの人と出会って、繋いでいくということをしていきたいです。
今年の8月には牛久市で感謝の気持ちを込めて、初めてのホールでのワンマンライブを開催します。そして来春にはミニアルバムを出す予定です。たくさんの人と出会うきっかけとなった路上ライブも、もう一度やってみたいと思っています。
これからも日々成長し、たくさんの人に歌を届けていきたいと思います。

Photo by:せきかずよ/Masaharu Hyodo