わい
わいがや倶楽部

Vol.13

ステンドグラスの美しい光


キリスト教芸術のひとつステンドグラス。
教会の窓を飾り、太陽の光が差し込むと荘厳な空間がうまれます。
その図像には意味があり、字を読めない当時のひとにも聖書の世界を分かりやすく伝えるためにステンドグラスは使われていました。

教会芸術に興味をもったきっかけは、高校のときに見たディズニー映画「ノートルダムの鐘」でした。
映画の舞台はパリのノートルダム大聖堂。
物語もさることながら、初めて知った教会芸術の美しい世界にすっかり魅了されました。
そのひとつにステンドグラスがありました。

ノートルダム大聖堂には円形のステンドグラスで飾られた大窓「バラ窓」があります。
堂内には3つあり、大きいもので直径13mにもなります。
このような大きな窓がとれるようになったのはゴシック建築の特徴で、建物の高さを強調する建築様式から、大量の光を取り入れるための大きな窓と多くのステンドグラスが使われるようになりました。
そんな天高くあるステンドグラスに太陽の光が差し込むと、聖堂内には美しい色と光が放たれます。
遠くてよく見えないのですが、聖母マリアやキリスト、天使など、細かく描かれているので双眼鏡を片手にじっくり見るのもいいかもしれません。

ステンドグラスが美しい教会をもうひとつご紹介します。
ノートルダム大聖堂からも徒歩5分ほどのところに、ひっそりと佇む「サントシャペル教会」です。
大きな教会ではありませんが、1階礼拝堂奥の小さな螺旋階段を登ると、こんなに美しい空間が。
パリ最古のステンドグラスで、その光の芸術は「聖なる宝石箱」といわれています。
午前、午後と日差しの差し込み方で表情は全く違うのですが、天気のよい日は眩しいくらい鮮やかで美しい色を放ちます。そして少し曇っているときは、穏やかな暖かい色と光で包んでくれます。

ステンドグラスの美しい光は多くの人を魅了します。
いまでは、壮大で華麗な教会のステンドグラスだけでなく、さまざまな施設や個人住宅、それにランプなどのインテリアで、ステンドグラスを身近に楽しむことをができるようになりました。
ワークショップなどで作品づくりも体験しながら、新しいステンドグラスの楽しみ方も味わいたと思います。