わい
わいがや倶楽部

取材リポートわいがやリポート6

フレックスジャパン×文化服装学院
産学協同プロジェクト

Industry-university cooperation


あたらしい試みが始まっています。
シャツメーカー<フレックスジャパン株式会社>と文化服装学院ファッション工科専門課程アパレルデザイン科メンズデザインコースの産学協同プロジェクト「シャツ講座」がそれです。

このプロジェクトは、カリキュラム作りから授業の進行・制作までを、同学院と企業とが協業して行うもので、14年目を迎えました。
4月からスタートし約3か月間、コラボレーション授業が行われます。

講師は同社の庄村成央氏(EDS企画フォーラム責任者)が務め、生徒はメンズデザインコースの学生12人。うち4名が海外留学生と、いまでは各国の若い才能が集まる形へと発展してきました。

生徒は4班に分かれ、班ごとに課題テーマに合わせた製品を作成し、最終発表のプレゼンテーションを行います。授業には専門の講師を招き、商品知識や企画・デザイン・パターンに関する指導を受けます。
一枚のシャツに、考え悩み、これほど時間をかけて仕上げるということはそうありません。
生徒と企業が協力しあった、その3か月間をご紹介します。


今年のテーマは【モノ】から【コト】へ

「モノだけでは売れなくなった、、、コトという付加価値は何なのか?」 さまざまなところでよく語られる言葉です。
服の大量生産・大量消費の時代を経て、【モノ】としてのテクノロジーは備えたものの、そこに心が通う【コト】のほうは果たしてどう変化したのか。着る目的やシーンを想像し、各班が独自のテーマをもって作品を制作します。
また、あたらしい課題として、同社のパターンオーダーシステム「軽井沢シャツ」のシャツビルダー(※)を活用したシャツつくりも盛り込まれました。同社としても重要な位置付けであるパターンオーダーを、学生がどの様に解釈して表現するか。インターネット時代に欠かせなくなったこうしたあたらしいツールをどう活用するか。期待が高まります。
(※)パターンオーダーシステム「シャツビルダー」ウェブサイト⇒

同社の製品紹介、そしてテーマの発表から授業がスタート!
まずは【モノ】から【コト】へのテーマから、目的やシーンを想像しながら自分たちが作るシャツのテーマを決めていきます。実践授業が同時に進行し、シャツの知識、型出しなどを本格的に学びながらシャツを仕立てていきます。さらに、最終授業のプレゼンテーションに向けて、プレゼン方法も学び身に付けます。

          

庄村先生、羽田先生の指導に耳をかたむける生徒。

● 生徒の声

感情や目で見たものからインスピレーションを受け、洋服をデザインしてきたので、ぞのデザインに対して何故かを聞かれると答えられないし、答えなくていいと思っていた。
しかし隙がなくなるまで何度も理屈的に問われ、それに対して筋の通ったことを答えられない自分に腹が立ちました。
ときには「自分がやりたくないことを、何でこんなに時間を割いてやっているんだ」と弱い自分を正当化しそうにもなりました。

          

型出しの様子。講師を務めるのは同学院の卒業生です。

● 生徒の声

最初の型出しシャツつくりで、何度もやり直しがあって本当に大変だった。学校に入ってから初めてこんなに悩みました。衿の形、芯の硬さ、身ごろのゆとり、いろいろなことを考えなければなりません。次のデザインシャツはもっと大変でした。デザインの段階で何度やってもダメで、本当に諦めたかったが、なんとか作り終えることができた。

ファション未来塾・最終プレゼンテーションへの軌跡! 動画でご覧いただけます。