
工房アプリコ ~笑顔のお福わけ~
あんずの里で有名な千曲市森地区で、元気な女性たちが活躍している「工房アプリコ」へおじゃましました。

代表の近藤美枝子さん
じつは近藤さんとは一緒に働いていたことから仲良くさせていただき、定期的に連絡はとっていましたが、
コロナ禍ということもあり、なかなかお会いする機会はありませんでした。
何年かぶりにお会いしたのにもかかわらず、変わらない元気な声と笑顔にとても安心しました。
近藤さん:「ちょうどアプリコが発足して6年だよ」
工房アプリコは、平成28(2016)年6月1日にはじまりました。
立ち上げから今までにいたるまでに、大変なこともありましたよね。
近藤さん:「はじめからすべて自分たちでやったの。当時は7人、農協からこの場所を借りて、寄付を募ったりしてね。
県へ補助金などを申請する書類もね、たくさんの苦労があったよ。みんなでイベントにも参加したりしてね。」
一緒に働いている皆さんは、全員が地元。工房から家も近いそうです。
もともとはみんなで旅行へ行ったりする程、仲良しなんだそう。
「仕事の合間でお茶とお菓子で休憩するひとときが楽しい」と、そのお話をお聞きするだけでも、にぎやかな光景が目に浮かびます。
メインとなるあんずの加工は、ちかくにある食品会社さんや各お菓子屋さんなどに依頼された“あんずのシロップ漬け”で、
それぞれお店によって糖あげという水あめを加えたり、細かいご注文にも対応されているそうです。
“あんずジャム”も旅館やホテルから追加注文がくるほど大人気。
県内にまだ3台しかない食品の乾燥機をお持ちで、切り干し大根やドライフルーツを低温、低圧で乾燥させることで、うまみが凝縮された
製品ができ、その切り干し大根などは学校給食で使われています。
工房アプリコで加工された、あんず製品は地元や県内だけの販売ではなく、銀座NAGANOや高島屋オンラインストアで通販でも
出品され、全国からご注文を受けていらっしゃるので、近藤さんが注文を受けたり、メールの返信や電話の対応もされているそうです。
実際に販売されている商品名を2つほど見せていただきました。

たまげたあんず
信州大実(しんしゅうおおみ)という品種のあんずを使ったシロップ漬け。実の大きさに驚きます。

イカさま物語
こちらの「イカさま物語」シリーズはおつまみのイカやホタテの貝ひもに見えますが、大根干しです。
商品の提案や、ネーミングも一緒に働く皆さんで決めるとのこと。
さすが、センスありますね!
地元から長野県だけでなく、全国へと発信している工房アプリコ。
学校給食の食材として子どもから、シロップ漬けはホテルや旅館、お菓子屋さんでもつかわれているので、
ご高齢の方まで老若男女問わず安心して召し上がれる商品を豊富にそろえていらっしゃいます。
あんずだけでなく、信州産の野菜や果物をつかって手づくりした商品で地元発信を上手にされているというお話、
なにより皆さんがイキイキとされていて笑顔に元気をもらいました。
近藤さんのように仲の良い人たちと一緒に働きながら、地元を活性化させていくというお仕事は本当にうらやましい限りです。
ちょうどあんずの収穫がはじまり近藤さんも忙しい毎日を過ごされると思います。
工房アプリコの皆さんいつまでもお元気に、さらに活躍してくださいね。

また会いに行きますね。
取材・文/編集局スタッフ 中村直子